海辺でぬるく撮ってます

星空撮影の記録とか

いっかくじゅう座ループとバラ星雲付近(東伊豆町白田温泉、小田原城址公園二の丸広場)

撮影日時:2024年2月28日 20時ごろ


撮影地 :静岡県加茂郡東伊豆町(白田温泉)
撮影機材:SONY ILCE -7M3 (HKIR)
     BORG 55FL + 7880
その他 :STC社のAstro-MSフィルタを使用

     SkyMemo-SWにて追尾撮影(SV165_Ceres-M_PHD2で一軸オートガイド)

露光等 :f3.6 / iso8000 総露光時間 = 4987秒

後処理等:PixInsightにて、各種補正、加算平均の後ストレッチ
     Luminar Neoで微調整した後、トリミング、JPEG化


 小田原では早咲きの桜が満開を過ぎつつある3月初めに書いています。宵の口にはオリオン座はすでに南天の高いところにあって、私の撮影対象は冬の大三角近辺。上の写真は電車で東伊豆に行って撮ってきた大三角の内側上方で、散光星雲を撮って来たのか一面を埋め尽くす微恒星を撮って来たのかのかわからない一枚です。”Blur X Termninator”のおかげで手軽に微恒星を引っ込めることができ、青い「カタツムリ星雲」なんかもはっきりわかる作品になっているのは嬉しい限りです。また、弱めの強調処理を心がけたおかげかループとバラ星雲の色合いの違いも出ていて自分でもびっくり。
 で、下は地元の小田原で撮影したAskarのCloror magic D1を使ったHα+OIII像なのですが、カタツムリがいるのかどうか怪しげな感じ。西風の強さと千葉東方沖で続く地震活動にめげて、撮影ポイントをいつもの浜から近所の公園に変えたのが原因かもしれないけど、思い返してみればD1フィルターをかましてオリオン座の内側を撮った時も青いところが物足りなくなっていました。まだ仮説ですが、光害地で青い所を撮りたければHβを捨てちゃダメということなのかもしれません。つーことは、サイトロンQuad BPフィルターのようにHβも透過する半値幅の広いフィルターとD2フィルターを使ってSHOもどき、S(HS)(OH)みたいなのを目指せばいいのかな?。今度晴れたらやってみます。

撮影日時:2024年3月3日 20時ごろ


撮影地 :神奈川県小田原市(小田原城址公園・二の丸広場)
撮影機材:SONY ILCE -7M3 (HKIR)
     BORG 55FL + 7880
その他 :Askar社のColour magic D1フィルタを使用
     SkyMemo-SWにて追尾撮影(SV165_Ceres-M_PHD2で一軸オートガイド)


露光等 :f3.6 / iso12800 総露光時間 = 6121秒

後処理等:PixInsightにて、各種補正、加算平均の後ストレッチ
     Luminar Neoで微調整した後、トリミング、JPEG化

勾玉星雲付近、オリオン座中心部のSHO合成(神奈川県小田原市・御幸の浜)

撮影日時:D1フィルター 2024年2月13日 20時ごろ

     D2フィルター 2024年2月14日 20時ごろ

撮影地 :神奈川県小田原市(御幸の浜)
撮影機材:SONY ILCE -7M3 (HKIR)
     BORG 55FL + 7880
その他 :Askar社のColor magicフィルタを使用


     SkyMemo-SWにて追尾撮影(SV165_Ceres-M_PHD2で一軸オートガイド)

露光等 :f3.6 / iso25600 総露光時間 D1= 6426秒 D2 = 6689秒

後処理等:D1、D2共にPixInsightにて、各種補正、加算平均、擬似を含むHDR合成
     RGB分解して各色ごとにストレッチしてからSHO合成


     Luminar Neoで微調整した後、トリミング、JPEG化

撮影日時:D1フィルター 2024年1月30日 20時ごろ

     D2フィルター 2024年2月07日 20時ごろ

撮影地 :神奈川県小田原市(御幸の浜)
撮影機材:SONY ILCE -7M3 (HKIR)
     BORG 55FL + 7880
その他 :Askar社のColor magicフィルタを使用

     SkyMemo-SWにて追尾撮影(SV165_Ceres-M_PHD2で一軸オートガイド)

露光等 :f3.6 / iso25600 総露光時間 D1= 7734秒 D2 = 6307秒

後処理等:D1、D2共にPixInsightにて、各種補正、加算平均
     RGB分解して各色ごとにストレッチしてからSHO合成

     Luminar Neoで微調整した後、トリミング、JPEG化


 D1フィルターによる光害地でのワンショット・ナローバンド撮影(Hαと酸素(O))に引き続いて、D2フィルターで硫黄(S)、酸素の撮影を終えてSHO合成を試みたのですが、水素(H)の緑ばかりが一面に広がった画像になってしまい、全くダメ。投げ出したい気分でネット上を色々調べてみたら苦労しているのは皆おなじで、RGBを適当にブレンドしてみたり強度を変換したりなど、技巧の限りを尽くして鑑賞にたえる作品にしているらしいです。まぁ目に見えない世界を可視化しているわけだし、そもそもがNASAがハップル宇宙望遠鏡の活動成果をわかりやすく広報するために始めた「擬似」カラー化手法。天文物理学的な正確さは薄くて当たり前ということのようです。天文写真の世界には物理的な正確さに徹底的に執着する人たちがいるのですが、NASAが始めた擬似カラー手法に文句をつけている人は見かけていません。さすがはNASAです。


 と、いうことで、今の私が持っている技巧を全て投入にして、硫黄領域の赤と水素領域の緑から黄色ないしオレンジ色を作り出し、負のブレンドで天体写真では貴重な酸素の青をなんとか引っ張り出してみました。(R、GのデータからBのデータを引き算したものをRGB合成して青を見えやすくして、さらにGの強度を適当な比率でRBに再分配してあります。)

オリオン座中心部(東伊豆町白田温泉・小田原市御幸の浜)

撮影日時:2024年2月10日 20時ごろ


撮影地 :静岡県加茂郡東伊豆町(白田温泉)
撮影機材:SONY ILCE -7M3 (HKIR)
     BORG 55FL + 7880
その他 :STC社のAstro-MSフィルタを使用
     SkyMemo-SWにて追尾撮影

露光等 :f3.6 / iso8000 総露光時間 = 5576秒

後処理等:PixInsightにて、各種補正、加算平均、擬似を含むHDR合成の後ストレッチ
     Luminar Neoでトリミング、レタッチ


 冬の星野写真で派手なことろと言ったら、なんと言ってもオリオン座の内側とその周辺。昨シーズンは焦点距離が短い写真用レンズで魔女の横顔星雲から馬頭星雲、燃える木星雲あたりまでを撮ってみて、結果、未改造機を使ったこともあって青が綺麗で大満足。そこで今シーズンは、強い光害カットフィルターとHKIR改造機の組み合わせで、赤外領域を淡いところまで狙ってみました。こういうことをすると燃える木星雲が真っ赤になってしまいそうで怖かったのですが、仕上げてみたらなんとかオレンジ色になってくれたようです。
 淡いところの描出を狙ったために輝星にハロがでたりオリオン星雲中心部がHDR合成の甲斐なく白く飛んじゃっているところは残念なのですが、青いところがギリギリ残っているので、まぁ良いかなと思ってます。で、青をもっと出してやろうとHα(赤)とOⅢ(青)を選択的に透過するAskar社のColour magic D1フィルターを使って撮影したのが下の写真。Hαがくっきり鮮やかにはなったけど、OⅢが出せませんでした。原因は不明ですが、翌日に撮影したSⅡ(赤)とOⅢ(青)を選択的に透過するD2フィルターでのデータには写っているようなので、SHO合成してみたら何かわかるかもしれません。

撮影日時:2024年2月12日 20時ごろ


撮影地 :神奈川県小田原市(御幸の浜)
撮影機材:SONY ILCE-7M3(HKIR)
     BORG 55FL + 7880
その他 :Askar社のColor magic D1フィルタを使用
     SkyMemo-SWにて追尾撮影(SV165_Ceres-M_PHD2で一軸オートガイド)

露光等 :f3.6 / iso25600 総露光時間 = 6426秒

後処理等:PixInsightにて、各種補正、加算平均、擬似を含むHDR合成の後ストレッチ
     Luminar Neoで微調整した後、トリミング、JPEG化